ブロンフマン

ブラフマンではなくブロンフマン。が11月に来日するってー!!!!!!
もー言ってよ。知らなかった。まだチケットあるかしら。
ブロンフマンのプロコを是非生で聴いてみたいと思ったのでとても嬉しい。
まぁ本音は協奏曲を聴きたかったっていうのもありますが。
ブロンフマンと言えばラフマニノフのピアノ協奏曲第3番と言われるくらい、素晴らしい演奏を数々残しているブロンフマンですが全く異論がございません。特に3楽章。

よくこのラフマニノフの3番は現存するピアノ協奏曲の中で世界一難解な曲ではないかと言われたりします。技術的な見方で比べれば、たしかに1番になっちゃうのかもしれません。難解っていうか弾くのが不可能というか。選ばれた人しか弾けない。手が大きい人じゃないと。*1
ラフマニノフの手の大きさは確か、ドの音から1オクターブ上のソの音まで届くくらいの大きさ*2で、その手でこの3番ももちろん作曲されたものだから片手で弾けるはずがない見た事のない和音が出てくるし、おまけにこの3番はそんな和音群のフレージングの嵐で、もうほんと信じられないテクニカルさを求められます。そんなこの曲。それをブロンフマンはとてつもない包容力で演奏してくれます。技術的にあり得ない事をしてるのにそんな事を微塵もこちらに感じさせず曲の世界にさらりと連れてってくれます。こんな3番聴いた事ない。

途中からですいません。第2楽章の途中から第3楽章です。5'55〜の第2楽章から第3楽章へのむかい方、しびれます。一緒に死にましょう。

Yefim Bronfman - Rachmaninoff Piano Concerto No. 3 - Part 3/5

Yefim Bronfman - Rachmaninoff Piano Concerto No. 3 - Part 4/5

もーーーーーーーうかっっっこいい。なにこれ。どなってるの。かっこよすぎ。クライマックス吹っ飛ばされました。そりゃ現役最高峰のピアニストのひとり*3ですよもちろん。こんなラフマニノフ聴かされてしまったら他のが聴けなくなるじゃないですか。
ドラマティックで大胆で骨太で繊細で深みがあって軽やかで何よりこの安定感。包容力。ぱぱー。
もともと手が大きくて肉厚な人の出すピアノの音が好きっていう事もあるのですが、ここまで繊細な部分も骨太な部分も表現出来きる人そうそういないです。
和音の掴み方とか本当に理想。丸っこくて軽やかな音も粒のそろえ方も本当に理想。
あとは個人的な趣向になるのですが表現しすぎないのもすごく好きです。ブロンフマンの懐の深さの中で余裕を持って音を生み出して届けてくれる感じが、私にとってはその曲の本来持ってる本質の部分がよりリアルに伝わってくるのです。これこそピアニスト本来の仕事だってこと思い出させてくれますブロンフマンはほんと。目が覚めます。ありがとうございます。

Yefim Bronfman

 1958年旧ソ連タシケントに生まれたブロンフマンは、移住また移住という流転の人生を歩んできた。73年イスラエルに移住。その後米国に移住し、87年に米国市民権を取得。米国では、フィルクスニー、フライシャー、ゼルキンに師事した。
  1975年メータ指揮モントリオール響と共演し国際的にデビュー、81年ワシントン、82年ニューヨークで、リサイタル・デビューも果たした。以後、世界各地で演奏活動を展開し、ザルツブルクほか主要音楽祭にも招かれている。オーケストラは、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、シュターツカペレ・ドレスデン、コンセルトヘボウ、パリ管ほか、世界のほとんどの主要オーケストラと定期的に共演している。室内楽にも積極的で、アイザック・スターン、ヨー・ヨー・マ、リン・ハレル、ピンカス・ズーカーマンランパルギル・シャハム、トゥルルス・モルク等と共演。レコーディングはソニー・クラシカル、ユニバーサル・ミュージックから、ソロ・アルバム、スターンとのデュオの他、サロネン指揮ロサンジェルス・フィルとのバルトーク協奏曲全集(97年グラミー賞受賞)やラフマニノフのピアノ協奏曲集、ジンマン&チューリヒ・トーンハレ管のベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集など数々の名盤を送り出している。
あるインタビューで「経験を積むと、偉大な作品が持つ深い内容がやがて開けてきます。音楽は人生そのもの。その人生を理解しなければ、音楽は理解できません。」と語っていたブロンフマンは、作品の根源的な魅力を聞き手の心に届けてくれる稀有なピアニストとして世界中の聴衆を魅了している。


それでは11月を指折り数えて待つとします。

*1:とかいってもアルゲリッチはまたすごい3番を弾きますが。

*2:私は1オクターブ届くくらい

*3:この言い回し嫌いなのに便利で使ってしまう。