週に一度のお楽しみ

TVはネットの動画サイトで見るもの*1、となりつつある今日この頃。唯一リアルタイムでTVの前で正座して見るこの番組。
松嶋×町山 未公開映画を観るTV
http://www.sonymusic.co.jp/etv/matsumachi/
名前のまんまで、日本未公開のドキュメンタリー映画を丸ごと流してくれる太っ腹番組。

今日はアカデミー最優秀ドキュメンタリー映画候補にもなった「jesus camp」後編。

「jesus camp」

キリスト教福音宣教会のフィッシャー女史が主催する、子供のサマーキャンプを追う。
全米・全世界の福音宣教会信者の家庭から子供たちが参加するキャンプでは、子供たちに原罪を懺悔させ、中絶反対を解き、キリスト教を推進するブッシュ*2を奉っていた。

この映画の公開はブッシュ政権ど真ん中の2006年。
福音派*3が政治的権力をがっちりと握っていた時代に制作された映画なので、2009年オバマ政権に変わり政党が共和党から民主党へと移り変わった現在では、あまりリアルタイムな話題ではないかもしれません。
しかし一つの大きな信仰が政治を動かしていたという事実、何より子供たちの無垢な信仰と、小さい体を突き動かす衝動、澄んだ目の見つめる先の未来にぞっとしました。というか鳥肌が立ちっぱなし。
福音派の家庭では子供たちを学校には通わせず、福音派の母親が先生となる「自宅学習」で「人間は神が造った」「進化論はばかげている」「温暖化はリベラル派の政治的主張、大騒ぎしてるだけで地球温暖自体は本当は大した事ない」などと教えられ、子供たちはその柔らかい頭でこれを素直に吸収していく。
子供は神の元で「兵隊」になっていくのか。

the killersの「All These Things That I've Done」と言う曲の中の歌詞で「俺に魂はあるが、兵隊ではない」という一節があるのだけど、このジーザスキャンプの中の子供たちは「俺に魂はあるが、兵隊でもある。」に見えた。これほど恐ろしい強大な力はないと思う。
アメリカの一つの信仰の持つかたまりの怖さだけではなく、人間のすり込みから生まれる狂った思考の連鎖の行く先、いろんな余波にぞわぞわが止まりませんでした。
ドキュメンタリーとしてもすんごく興味深くて面白いのですが、映像としても出てくる人たちの表情の押さえ方とか、目線の捉え方とかも含みがあってさらにホラー度がましてて恐ろしかったです。最後の終わり方とかこれまた、もー!!!!!こわいよー!!!!!*4

ここまで考えさせられる作品をタダで見させてくれるこの番組に本当感謝!!
最近なんだかすごいぞMXTV!!!!!!!
そんな「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」は来週から「SUPER SIZE ME」のマリファナ版のドキュメンタリー映画だそうです。これまたかなり危険なかほり。。。見なくちゃっ!!!


というか最近怒濤のハマり方しちゃってる本当の所は町山智浩さん。その事についてはまたあらためて言いたいので今日はもう寝ます。
つうかバトン*5すげー。

*1:本当はいけないですよね。。

*2:ブッシュはアメリカ史上初めて誕生したキリスト教福音派の大統領。

*3:「聖書」を一句一句信じ、科学を否定する。アメリカ人約1億人にあたる。

*4:フィッシャー女史の車の前にあるストップと書かれたドアがゆっくりと開かれていく感じとか。

*5:F1の